20代での保険の加入率が6割弱であることを考えると、30代で保険に加入する人が増えているということがわかります。
月々に換算すると、1万から2万円程度の保険に加入する人が多いこともわかります。
それぞれのライフスタイルに合わせた保険の選び方について見てみましょう。
夫婦
家族がいる場合、保険を選ぶ上で重要となるのが「家族が困らないこと」ですね。
共働き家庭と片働き家庭では、同じ保険でも保障内容に違いがでてくるので、それぞれの家庭にあった選び方をご紹介しましょう。
共働き家庭
夫婦でどちらもしっかりと収入がある場合(収入に大きな差がある場合は片働き家庭とします)は、どちらにも同じような内容の保険が必要です。
女性の場合は、男性と同じ医療保険に加入すると女性疾病が対象外になるものがあるので、特約などでカバーをする必要があります。
同じような収入を得ていても、将来専業主婦(夫)になることを見越して片方の収入はそっくり貯金に回しているというのであれば、収入保障保険に関しては同等の保険を組む必要はないかも知れません。
ただその場合は、専業主婦(夫)となった以降の貯金額が減ってしまうことを考えて、貯蓄をカバーする上で終身型の保険でリスクヘッジという方法もあります。
たとえ将来支出が増えたとしても、すでに必要経費として支払っていれば、新たな出費としての負担も軽減できます。
片働き家庭
夫婦ともに仕事をしていても、家計を担っているのが片方のみの場合は、メインで収入のある方は収入保障保険に加入することをおすすめします。
その働き方が自営業やフリーランスの場合は、就業が難しくなった場合を考えて就業不能保険という選択肢もあります。
収入確保の話ばかりになりましたが、忘れがちなポイントとして収入のない方の医療保険への考え方です。
世帯主の方が働けない場合は確かに収入確保のため保険に入るという考えがすぐに浮かびますが、そうでない方が入院、通院された場合はどうでしょう。
収入に大きな差はでませんが、専業主婦(夫)が担っていた家事などが滞ることになります。外食が増えたり、ハウスキーパーが必要になることもあるでしょう。
そういった見えづらい支出への備えとして、ある程度保障のある医療保険への加入が必要なのです。
死亡保険に関しても、葬儀代という点でいえばお互いに加入するメリットはありますが、その後の生活の維持という点を考えると、収入源になっている方をより手厚くすることで、全体の家計の負担を軽減することができます。
そして将来への貯蓄も兼ねたいという場合は、貯蓄型の終身保険に加入することもおすすめです。
注意点
日本には医療保険制度があり、国民全員に手軽に医療が施されるための公的な仕組みがあります。
手術や特殊な医療を受ける場合は、高額医療制度というもので個人の負担を軽減してくれる方法もあります。
また年金制度もあり、残された家族のための遺族年金制度もあります。
万が一のときの保険とはいえ、不安要素をすべて保険で補おうとすると掛け金が増えてしまい、現在の暮らしを圧迫しかねません。
公的サービスを上手に使い、それでも足りない部分を保険で補うということを覚えておいてください。
ポイント
保険の加入でまずおさえておきたいポイントは、なんの為の保険なのかということです。
教育資金のために保険に加入しても、満期が子供の進学時期にあってなければ貯蓄にはなりますが本来の目的としては使えません。
大きな病院まで遠く通院費がとてもかかるのに通院費がでない保険では、せっかくの保険もその価値は半減ですよね。
安いからといくつも医療保険に加入して入院や手術費が合計でかなりの保障になったとしても、いざ使いたいときにその疾患が対象外では意味がありません。
医療保険ならできるだけ多くの疾患や通院費などのプラスアルファの保障があるもの。
死亡保険は、その後の生活資金目的だけでなく、死後整理金としても使用することを覚えておく。
収入保障保険は、遺族年金や公的サービスでも足りない部分のカバーができる金額設定を。
保険に加入するための目的をはっきりさせておきましょう。
まとめ
30代は、ライフスタイルが大きく変化する年代と言われています。
昔から契約している保険があったとしても、定期的にメンテナンスを行い見直すと良いでしょう。
目的がはっきりしない、どのように選べばいいかわからないなど、保険の仕組みは複雑で分かりづらいものです。
少しでも迷いがあれば、より良い選択をする為にぜひ一度専門家にご相談ください。
【参考文献】
- 文部科学省『学校基本調査-令和元年度(速報)結果の概要-』
- 厚生労働省『平成26年患者調査~9-1推計入院患者数,性・年齢階級 × 傷病分類 × 病院-一般診療所別』
- 公益財団法人生命保険文化センター『平成28年度「生活保障に関する調査」』
- 公益財団法人生命保険文化センター『一日あたりの医療費(自己負担額)はどれくらい?』