現在日本で癌による死亡原因の第3位となる大腸がん。(国立がん研究センター「人口動態統計によるがん死亡データ1975年~2014年」)
大腸とは、小腸から続く結腸と直腸を合わせた臓器で、結腸がんと直腸がんを総称して大腸がんといいます。 大腸がんの症状は、便に血が混じる、便が出にくくなる、排便時の腹痛、下痢をするなど排便に関わる症状や変化ですが、そうした症状が現れるのは癌がある程度進行してからとなります。 早期に癌を発見する為には、市区町村や健康保険組合の企業で行われている便潜血検査をはじめとする検診を受けることが必要です。
便潜血検査ですべての大腸がんを発見することは出来ませんが、結果が陽性の場合は大腸内視鏡検査によって詳しい検査を行います。内視鏡で管腔内を直接観察し、がんを疑う病変を認めたら組織を採取し病理組織検査を行います。 40歳以上の方は年1回「便潜血検査」を、50歳を迎えた方や大腸がんになった近親者がいる方は一度「大腸内視鏡検査」をおすすめします。
この大腸がんもがんの性質や進行度によってさまざまな治療法がありますが、原則は切除です。 代表的な治療が「外科的切除」「内視鏡的切除」「化学療法」となります。
「外科的切除」はがんを中心に腸管を切除し、残った腸管をつなぎ合わせる手術です。最近では負担の少ない腹腔鏡手術が広く行われるようになってきました。 「内視鏡的切除」は、がん細胞が粘膜層にとどまっている早期のがんの場合、内視鏡的に切除ができ、負担の少ない治療法です。 「化学療法」は術後の再発防止や転移がみられた場合などに抗がん剤による化学療法が用いられます。
外科的治療を受けた場合、5年間は定期的に超音波検査、腹部CT検査、腫瘍マーカーなどの検査を行います。術後に再発・転移があっても早期発見・治療を行い根治に繋げます。 がんの治療効果が期待されている最新の治療法に「重粒子線治療」があります。従来の放射線治療に比べ体への負担や痛みなどの後遺症が少ないことから、治療に適した局所再発がんの治療で大きな成果をあげています。
- 出典
- 国立国際医療研究センター
- 国立研究開発法人国立循環器病研究センター
- 国立研究開発法人国立がん研究センター
- 公益財団法人がん研究振興財団
- 米国議会がん問題調査委員会「OTA」レポート -国際がん研究機関 出米国国立がん研究所