くも膜下出血は脳の血管が破れ、脳の外側と頭蓋骨の間(くも膜下腔)に出血する病気です。ほとんどは脳の動脈が弱くなってできたコブ(動脈瘤)の破裂によって起こります。 「ものが二重に見える」「瞳孔が見開かれた状態になったり大きくなる」「まぶたが垂れてくる」そんな気付きがあったら、注意が必要です。 特に、突然の激しい頭痛は赤信号です。突然の激しい頭痛とは、今まで経験したことの無い様な激しい頭痛や、ハンマーで頭部を殴られた様な痛み等と表現されます。 また、何時何分から頭痛が始まったと分かる程、急激にその頭痛は始まります。 それらの症状や今までに経験したことの無い頭痛が数日間続いたり、吐き気や嘔吐も伴う際は、頭痛が鎮まっても受診し、原因を確かめて置くことが大切になります。
また脳ドックを活用し、破裂する前の動脈瘤(未破裂動脈瘤)を見つけ、未然にくも膜下出血を発見しましょう。 特に高血圧の方や、タバコを吸う方、お酒の量が多い方やくも膜下出血を起こした近親者が居る方は、検診をおすすめします。40歳を過ぎたら、3年に1度くらいの割合で検診するのが適しています。
最新の予防法と治療法には「クリッピング法」と「コイル法」があります。 クリッピング法は開頭手術で動脈瘤を小さな洗濯バサミの様なクリップで挟み、血液が行かない様にする方法。安全性が高く、確実な方法ですが、頭を開ける為、患者への負担は軽いとは言えません。
コイル法は脚または腕の付け根からカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、管の中を通して白金のコイルを送り、動脈瘤に詰めて塞ぐという方法です。局所麻酔で開頭手術無しに行えるのが利点で、実施するケースは増えて来ました。 突然の激しい頭痛がある方は、注意が必要です。
- 出典
- 国立国際医療研究センター
- 国立研究開発法人国立循環器病研究センター
- 国立研究開発法人国立がん研究センター
- 公益財団法人がん研究振興財団
- 米国議会がん問題調査委員会「OTA」レポート -国際がん研究機関 出米国国立がん研究所