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更新日:2019年5月6日

乳がんについて

乳がんについて

乳がんは30~64歳の壮年期女性の死亡原因の上位に位置しています。 非浸潤癌と浸潤癌の二つに分かれ、小葉や乳管の中に留まっている非浸潤癌は、超早期の乳がんで転移の心配が無い為、ほぼ100%に近い確率で治癒します。 周りの組織まで広がっている浸潤癌は、血管やリンパ管を通ってがん細胞が他の臓器に転移する危険性がありますが、しこりが小さく、リンパ節に転移が無いなどの早期発見であれば、こちらも高い確率で治癒することが可能です。

ある程度、進行した段階になると全身の病気と考える必要があり、化学療法やホルモン療法が主流となり、手術では乳房温存手術が主流となっています。 乳房温存手術が困難な場合にも、乳房を術前と変わらない状態に戻す再建手術が行われています。乳がんの状態によっては行える場合と行えない場合がある為、主治医とよく相談することが重要です。再建方法によっては公的医療保険の対象になります。 また最新の治療法に「術後のホルモン療法及びTS-1内服投与の併用療法」があり、高い再発抑制効果が期待されています。

乳がんは自分の力で早期発見できる可能性のある数少ないがんです。鏡の前で乳房の大きさや形、皮膚のくぼみ、左右の乳頭の位置などをチェックしましょう。月一回では僅かな以上に気づくことは難しい為、日ごろから自己検診をして乳房の状態を知っていることが大切です。 乳がんがある程度進行してくると「乳房にしこりがある」「乳首から黄色い透明な液体が出たり血が混じっている」「茶色や黒褐色の分泌物が出た」「胸がただれ湿疹が出来ている」「乳房にくぼみができた」「左右の乳首の向きが違ってきた」「乳首が陥没した」「脇の下がグリグリする」「乳房の毛穴が目立ちオレンジの皮の様になっている」等の症状が現れます。

自覚症状の無い極小ながんを発見するには、マンモグラフィと超音波検査などの画像検査を受けることが有効となります。超音波検査はマンモグラフィでは乳がんを見つけにくい30代、40代の方などに勧められます。がんになっても落ち着いて治せる様に準備しておきましょう。

子宮頸がんについて 最近では、若い女性にも急増している子宮頸がん。 かつては60代の女性がかかりやすいがんでしたが、子宮頸がん検診受診率の高い高齢者は最近発生率が少なくなりました。一方、30代をピークに若い世代の発生率は急増し、25歳から39歳がかかる女性特有のがんの中では最も高い発生率を示しています。(財団法人がん研究振興財団「がんの統計より」)

子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるものです。HPVは性的接触があれば誰でも感染する可能性があるウイルスで、男女に広く存在しています。HPV感染自体は病気ではないため、ほとんどは免疫機能により自然消滅します。HPV感染から癌になる割合は1000人に1人。HPVは、100種類以上の型があり、高・低リスクに分かれます。 高リスク型のウイルス感染が長期間に及んだ場合、一部が異形成という癌の前段階(前がん病変)を経て、がんに進行することが分かってきました。検診で早期発見すれば、確実に治療でき、女性にとって大切な子宮を守ることができるのです。20歳代から年に1回の検診をおすすめします。

子宮頸がんの治療は、がんの性質や進行状況によって異なりますが、外科療法や放射線療法、化学療法が中心となります。ごく早期のがんであれば、子宮を残す手術が可能です。代表的な子宮温存手術は「円錐切除手術」です。これは子宮頸部だけを切除する方法で、術後に妊娠、分娩も可能です。 がんが子宮頸部の外に広がっている場合は、広範な手術や放射線療法が中心となります。

併せて更年期、閉経後の女性は特に注意したい「子宮体がん」。 子宮の奥にできるがんで、40歳代後半から増加、50~60歳代でピークを迎えます。しかし、近年は年齢に関係なく増加する傾向にあるので注意が必要です。 エストロゲン(女性ホルモン)によって増殖するタイプと、それとは関係なく発生するタイプに分かれます。閉経年齢が遅い、出産歴が無い、肥満などがリスク要因とされ、その他糖尿病、高血圧、乳がん、大腸がんの家族歴との関連が指摘されています。


  • 出典
  • 国立国際医療研究センター
  • 国立研究開発法人国立循環器病研究センター
  • 国立研究開発法人国立がん研究センター
  • 公益財団法人がん研究振興財団
  • 米国議会がん問題調査委員会「OTA」レポート -国際がん研究機関 出米国国立がん研究所

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