「老後を実感するにはまだ早いけど、若い頃に比べると身体の変化が感じられる」そんな40代にとって、保険選びはどのように行えばいいのでしょうか。
すでに保険に入っている方も、これからの方も40代だからこそ気をつけたい保険選びのポイントをライフステージごとにご説明していきましょう。
更新などで見直しが必要な時期
社会人になった、家族を持った、知人に勧められ加入したなど、様々なきっかけで更新型の保険に加入された方も多いと思います。
40代はそんな保険の更新時期の方も多いかと思いますが、その更新料の高さに驚かれたりするかもしれません。
併せて医療技術の進歩により、保険で保障される内容も、10年以上前とでは大きく変わっていることも多々あります。
そして最も重要なのが、40代から疾病率が大きく上がっているということです。
がんはもちろんのこと、生活習慣病が要因とされる心疾患や脳血管疾患の発症率も高くなっています。
これらに対応できる保険内容であるかどうかというのも、今後保障を考える上で重要なポイントとなります。
夫婦
単身者と夫婦とで大きく違ってくるのが「パートナーの生活を守る」という点です。
病気をして収入が減る、万が一のときの当面の生活費を確保するなど、残された家族への生活の保障が必要となってきます。
そのため死亡保障であれば、死後整理費用プラス残された家族へ当面の生活費が保障されるもの。医療保険であれば、仮に長期入院や休業となった場合の収入保障があるものを選ぶといいでしょう。
夫婦がそれぞれ独立した収入がある場合は、お互いに同等の保険をかけておくと安心です。
他方、共働きではなく片方が専業主婦(夫)の場合は、世帯主には死亡保障を手厚く、収入保障の保険をかけておくことをおすすめします。
また、住宅を購入されたご夫婦の場合、世帯主がなくなったあとのローンの残金の支払いについても知っておく必要があります。
ローンを組むときには団体信用生命保険への加入が勧められると思いますが、その内容によっては亡くなったあとの生活が大きく違います。
契約者が死亡した場合、残金の返済義務は発生しないのであれば、住まいの心配は必要なくなりますが、しかしながら残された側に返済義務が生じる場合、その金額も加味した保険金を用意する必要があります。
死亡時に準備しておく金額には立場によって差はありますが、お互いに病気のリスクは高まりますので、医療保険は内容のしっかりしたものを選びましょう。
マルチに保障される保険は契約が一つで済んで管理も楽ですが、その分保険料も高くなる傾向があります。
保険は各社得意分野があり、医療はA社、がんはB社、死亡はC社が優れているなど保障内容によって大きく違いが出てきますので、都度比較しながら選ぶ事が重要です。
医療保険一つにしても、掛け捨て型と終身型の2種類で1つ分の保障を確保した場合、掛け捨てにした分保険料がおさえられる場合もあります。
医療保険とがん保険をそれぞれ別に加入することで、保険料をおさえつつ保障内容を広くすることもできたりします。
注意点
20代、30代と違い、収入も安定しライフスタイルもかなり変化がある40代は、今まで加入してきた保険を見直すいい機会です。
不要な保険や重複している保障などは整理をし、今の生活にあったものなのか今一度チェックしてみましょう。
現在の生活を圧迫しないよう、保障と保険料のバランスを考え、将来の不安を少しでも軽減できる保障内容であるかを見極めましょう。
ポイント
40代は収入が安定すると同時に、子供がいる場合は養育費や学費に出費がかさむ世代でもあります。そして自身は病気のリスクが高まり老後の心配も気になりだす、両輪のバランスが必要な時期になってきます。
早めの準備がその後の生活を大きく変えていくということを考えると、しっかりとした対策が必要です。
最低限の保障は確保し、将来の変動に柔軟に対応できるよう余裕を持っておけるような資産計画が重要となります。
まとめ
人生100年からすると、40代はちょうど折り返しに差し掛かる時期になります。
今までを振り返り、将来への準備をするいい機会とも言えます。保険は組み合わせ方次第で、いくらでも自由に保障内容を充実させることができます。
どんなものがいいのか、自分に何が必要なのか、迷ったときはぜひ専門家に相談してみてください。
- 【参考文献】
- 生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」
- 厚生労働省「平成26年患者調査~9-1推計入院患者数,性・年齢階級 × 傷病分類 × 病院-一般診療所別」
- 生命保険文化センター「令和元年度生活保障に関する調査《速報版》」